夕焼け列車 #谷塚 弘志-3
ここまでで何か違和感を感じなかっただろうか。
「列車」
俺は意識してあえてこの言葉を使っていた。
と言ってもそんなに大層なことではない。ただ単にクラスの電車おたくがうるさいからである。ここは田舎だから(?)電車でなく気動車とか言うらしい。全くどうでもいい話なのだが、あまりにしつこいので覚えてしまった。
で。
なんで急にこんなことを言ったのかというと、これからそいつのマネをするからである。
俺はもう一度本を開いた。長編小説なので区切りも何もないのだが、5分程して閉じ、バックにしまった。そして首を右に向けた。よかった、見える範囲だ。
ちょいと集中してみる。
ばれちゃあいけない。
アイツっぽさを出すんだ。アイツはどうしていた?
視線の先は列車の先頭である。運転手が見える。その先の流れて行く景色が見える。
まだか?
もうちょっとかな。
列車の速度が落ちる。
ここで行こう。
止まった駅がそこそこ大きい駅だったのは幸いした。
出口に人が流れる中、俺は一人立ち上がり、先頭、運転席の後ろに向かい、止まる。
そして、外の景色をじっと見つめる。確かアイツはこうしていた。
本屋の袋を持つ手が強くなる。
列車が発進した。
やったか•••?
なるべく自然に、ばれないように、ちらっとおばあちゃんの様子を伺った。
立っていた。空いた席の前に。
口を真一文字に結んでいる様がはっきりと読み取れた。
俺は心の中でだが、また、ため息をついた。
挑戦は失敗してしまいましたね〜
まだいろいろあるけどね。
明日から休日ですが、県大により実質休みなし。
月曜日には数学の小テスト。
やばいな•••
勝手に和英辞典
吉幾三
⬇
OK.Let's go
ではでは〜